今回はXYクロスバイスではいかんともしがたい加工を無理やり実現する工夫と、バイトホルダー(旋盤バイト)を作ってみたいと思います。
とりあえず、完成までの流れを動画にまとめましたので、ニコニコアカウントがある方はご覧頂けると幸いです。
さて、まずは5mm厚のアルミ版にΦ10の穴を開けたものを2枚用意します。

こちらをXYクロスバイスに乗っけて、別途市販の「マルチアングルバイス」を分解して球の部分を挟みこみます。

こんな感じにバイスの親子亀になります。

ワークエリアがでかくなったので出来る芸当ですが、これは止むに止まれぬ事情があるのです。
以下の絵をごらんください。
XYクロスバイスは馬鹿正直にX軸Y軸に対して垂直水平にしか動きません。
もし、X軸と平行ではなく若干角度を付けたかったらどうするか?
バイスへの掴み方を変えることで何とかなります。
ただ、これも2方向角度まで。
もし3方向に対し角度調整をしたいと思うと、もう手持ちの道具では先のマルチアングルバイスを挟むしか方法しかありませんでした。

そこまでして作りたかったのがコレ。
旋盤用のバイトですが、切削部の超硬ビットが独立していてバイトを研ぐこと無く取り替えられるというモノ。
このホルダー(バイトホルダー)を作りました。
バイトホルダーはビットの形状に合わせてまずワーク(今回はSUS材を使いました)に対してナナメに切り込みが入ります。
また、切削効率をあげるための「スクイ角」「逃げ角」という角度が必要で、ワークが持っているXYZ(縦横奥)の直線に対し、すべて異なる角度が必要になります。

仕上げをしているところですが、段になっているところ左が深くて右が浅いのわかりますか?
また、段のところから先端に掛けて深さが増しています。

実際にビットを取り付けてみました。


クロスバイスに挟み込んで、丸棒の切削などに使います。

今回のマルチアングルバイスによる自由角度の獲得ですが、やはりワークのビビりが多少なり発生してしまいました。少しずつゆっくりの切削でなんとか形にはなりましたが。
それから、動画コメントで「手袋しちゃダメー!」といろいろな方からご注意をいただきました。
なるほど、事故事例などを調べるとゾッとするものがいくつもあります。
ご指摘感謝です。
本当は素手がベストということですが、調べるうちに「薄いゴム手袋(巻き込んだらすぐちぎれる)」なら、許されるかもという話も見つけましたので、今後は積極的に薄い手袋を使って行きたいと思います。
#実は第3回のメタルソー編は薄い手袋を使っていたりしますw
Love Beer? (゚∀゚)/D
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