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ボール盤の改造(2)ワークエリア編  

今回はXYクロスバイスを設置したことにより、ワークエリアが狭くなってしまったことを改善したいと思います。

とりあえず、完成までの流れを動画にまとめましたので、ニコニコアカウントがある方はご覧頂けると幸いです。



バイス台を一番下に下げても、チャックとバイスの間隔が50mmくらいしか確保出来ません。

DPP_0935.jpg

これでは、エンドミルや小口径ドリルは使えても、長い大口径ドリルや大きい部材が扱えません。

DPP_0933.jpg

そこで、ボール盤のポールを新調することにより、エリアを確保することにしました。
用意したのは、Φ48.6mmの鉄パイプです。
ところが、もともとのパイプはΦ48.0mm。
新しいパイプのほうが微妙に太いのです。

DPP_0923.jpg

いずれにせよ土台が必要になるので、Φ95mm/厚20mmのデンスバーを加工してみようと思います。

DPP_0936.jpg

Z微細送り機構が活躍して、0.5mmずつ溝を掘っていき、最終的には溝外径48.6mm/深さ15mmをキレイに加工することが出来ました。

DPP_0921.jpg

パイプもピッタリはまるようです。

DPP_0922.jpg

パイプと土台は2液エポキシで固定した後、M6ネジを切って3方からねじ込み。
抜け、ぐらつき防止としました。
その後、脱脂してプラサフ吹いて塗装します。
この塗装セットどこかでみましたねww
そうです。バースデーランタン200Aのリペイントした残りです。

DPP_0924.jpg

出来ました。
なんだかスポーツカーのブレーキのような勢いを感じるポールになりました。

DPP_0925.jpg

続きまして、難関のバイス台、モータヘッドの加工になります。
もともとΦ48.0mmで作られているので、これを0.6mm拡大しなければなりません。
ハンドドリルにエンドミルを加えて少しずつ切削して、ようやく拡大することが出来ました。

DPP_0926.jpg

ところが、モーターヘッドは奥にポールの平行基準面が設定されており、この段差のところまでポールが当たらないと、平行が出なかったりぐらついたりしてしまいます。
ただ、この平行基準面を痛めずに、その手前だけ0.6mm拡大するのは至難の業。
っていうか無理。

DPP_0927.jpg

そこで、この部分だけは、パイプの方を加工することにしました。
パイプの先の方だけ0.6mm外周を削り落とします。

DPP_0934.jpg

ポールを回転させながら、グラインダーで少しずつ削っていき、ようやく寸法通りになりました。
すべてのパーツが揃いました。

DPP_0928.jpg

まずは土台の固定。M8ネジ3本でガッチリ締め込みます。

DPP_0929.jpg

バイス台をポールに通した後、モータヘッドを乗せ、サイドから回転防止のためのネジを2点締めます。

DPP_0930.jpg

このボール盤は、ポールがすべての基準になるので、チャックに仮咥えしたアルミバーとポールが正面、側面からしっかり平行が出ていることを確かめます。

DPP_0931.jpg

完成です。
最初の画像ではチャックとバイスの間が50mm程度でしたが、ポール伸長により300mmくらい確保出来ました。
これで色々なことが出来るようになります。

DPP_0932.jpg

次回はこの拡大したワークエリアを活用して以前から作りたかった道具を制作してみます。

Love Beer? (゚∀゚)/D


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この記事へのコメント

Re:ボール盤の改造(2)ワークエリア編

先日ニコニコ動画で拝見させていただきました
非常に面白かったです
質問なのですがボール盤でフライス、旋盤の加工を行って
ラジアル負荷は大丈夫なのでしょうか
試してみたいのですが加工中にチャックが外れそうで怖くてできません

Re:ボール盤の改造(2)ワークエリア編

コメントありがとうございます。
チャックの脱落は私も数度経験があります。
いずれもラジアル負荷の掛るエンドミル側面を使用しての切削時でした。
ただ、頻度ということであれば、そう滅多なことでは落ちない印象です。
もちろんアーバーやチャックの脱脂、木片等を当てての叩き込みなど手順をふみ、かつ機械の個体差などあろうかと思いますが。
ただ、この問題は旋盤的に使用するときにワークの重さなども脱落要因になってくると思いますので、「チャックが落ちない仕組み」を、ボール盤の改造(5)でご紹介する予定にしております。
ご期待ください。

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