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新作「漆ククサ」開発中 

最近おとなしいと思っていたら、こんなことやってましたw

新作 『漆ククサ』

日本古来の素材と技法により日本酒専用のククサを作ってみようかな、と取り組んでいる作品をちょっとご紹介。

以前、超硬素材パープルハートでククサ作りに挑戦しましたが、実際に使ってみるといくつかの問題点がありました。
1.そもそも加工が難しく量産しにくい(特に精神的に)。
2.良くも悪くも「木の風味」が出てしまい、繊細な日本酒を味わうと邪魔になることがある。
3.熱湯などを扱うと膨張してひび割れを生じる場合がある。

もちろん、超硬素材ならではの重厚感は素晴らしいですし、木の風味がプラスに作用して2級酒も美味しく感じてしまうなど、良いこともたくさんあるのですが。。

そんなわけで、これらの問題点を解消する素材と技法を検討した結果、「漆塗り」という結論に至りました。
実は、龍馬伝で山内容堂公が漆器の盃で美味しそうに日本酒を飲んでいるシーンを見て、「あ!漆器なら風味を損なわないっ!」と思ったのがきっかけなんですけどね。笑

100314508.jpg

漆塗りなんて初めてなので、色々と試行錯誤しています。
パウダーフリーのゴム手袋は必須!
まだ完成に至っていませんが、「拭き漆(摺り漆)」という技法を用いて、おそらく下地作りから10回程度の塗り行程が必要です。
これで5回目くらい。

100314502.jpg

もちろん素材から吟味してます。
この素材のメリットを加工で活かしつつ、デメリットを漆で封じるという作戦です。
しかしなんと贅沢な素材だことww

100314503.jpg

パープルハートに比べて、切削は圧倒的に楽ちんですが、塗りに入る前にどこまで仕上げられるかで、あとの苦労が全然違ってきますね。
ここは時間を掛けて、曲面を仕上げていきます。

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漆塗りで使う道具も割り箸で削りだしたりして、なにもかも試行錯誤です。
西洋塗料と違って、漆やテレピン油は結構いい匂いがしますよ。
漆も合成漆ではなくて、ちゃんとした天然漆を入手しました。

100314507.jpg

漆の乾燥に使う簡易的なムロですが、これも試行錯誤の3代目。
クーラーバッグに段ボール、熱源は電気あんかを使っています。
漆は25~28度くらいの気温に、湿度80%という実に面倒くさい条件で乾燥が進みます。
漆はもともと自身の傷ついた表皮を保護する樹液だそうです。
湿気のある山中の環境をムロの中で再現するようなものですね。

ご存知の通り気温が下がると飽和水蒸気量も下がります。
テント内の結露みたいなものですが、こうなってしまうと漆はカビが生えたように濁って台無しになってしまいます。
かといって、温度が高くて湿度が低いと一向に乾燥が進みません。
昔、熱帯魚にハマっていたときを思い出しました。
いかに硬度を低く保ちつつpHを安定させるかっていう水質コントロール。
特にムロ(熱帯魚では水槽)が小さいと、このコントロールもなかなか思うようにいきません。

100314505.jpg

塗りを重ねると、どんどん重厚な艶が出てきます。
回を重ねるごとに強度や艶は出てきますが、杢が見えなくなるという問題もあります。
しかし、あくまでも「漆ククサ」は食器。
納得いくまで漆を掛けて、水砥ぎを繰り返していきます。

100314506.jpg

桜が咲く前には納得のいくものができるといいな。
もちろん夜桜でデビュー。

完成した漆ククサはこちらで紹介しています→総漆塗り「漆ククサ」お披露目

【備忘録】
・木地はできるだけ滑らかに仕上げておく。#400仕上げ。
・湿度が80%を超えると漆が曇る。時間掛かっても湿度低めから調整すべし。
・漆を厚塗りすると皺が寄る。とにかく薄く。キムワイプでざっと塗ってから、摺り紙で余分を拭き取る。
・漆の砥ぎだしをするときは、水砥ぎで。サンドペーパーで処理すると粉でかぶれる可能性あり。
・漆が乾く前なら、テレピン油でリセット可能。

【備忘録2-漆かぶれについて】
作業を始めてから1週間目くらいに漆かぶれになりました。
統計では、9割くらいの人がかぶれるとのことです。
漆芸を始める人への洗礼のようなものなので、ここは粛々と治療に励みます。
私の場合、首の周囲に蚊に刺されたような赤みが発生した後、目の周りがチリチリし始めてここも赤み発生。
その後、腕やお腹、腿あたりに蚊に刺されのような症状。
かゆみ中心ですが、赤みを伴う腫れなのでかなり気になります。
治療は、花粉症で使用していた抗ヒスタミン系のアレルギー治療薬のセレスタミンを服用。
赤みが生じた所にはステロイド(strong)のリンデロンVGを塗布。
なんでも日光を浴びると塗布部分が色素沈着するとのことなので、あまり出歩かないほうが吉。
この処方でかゆみはだいぶと軽減されます。
ここで掻いてしまったりすると、皮膚が傷んで治癒が遅れるとのこと。
初日に現れた首回りと目の周りは72時間で完全治癒しました。
強い薬なので、長期常用しないほうがよいとのことだったので3日くらいで助かりました。
あくまでこれは私の場合なので、もし漆にかぶれたらすぐさま皮膚科に行くことをお勧めします。




Love Sake?
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この記事へのコメント

Re: お花見で美味しい日本酒を飲むために

漆塗り・・・非常に興味有りなのです。
そんなキットがあるのでしょうか?
それとも独自で揃えられたのでしょうか?
オイラは、スピーカーの筐体を漆塗りしたくて(笑
もしよろしければ、ご教授ください。
  • [2010/12/24 19:56]
  • URL |
  • 食う寝るさんだ~す
  • [ 編集 ]
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食う寝るさんだ~すさん

全部ネットで調べて揃えましたー!
まだ最終完成まで至っていないのでノウハウも溜まっていないのですが、
1.とにかく徹底した下地作り
2.薄く塗っては砥ぐの繰り返し
3.十分な乾燥を経て次のステップへ(あせらない)
キモはこんなところなんじゃないかなと思います。
摺り(拭き)漆なのでこれくらいで済んでますが、がっつりやるともう気の遠くなる作業のようです。
そしてほぼ例外なく「うるしかぶれ」の洗礼を受けることにww

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